HOME > 展覧会レポート:エコール絵画研修報告 > 2014フランス・エコール 「ザッキ・ロワリエと描くパリの風景」

エコール絵画研修報告

2014年のエコール研修は芸術の都パリで開催
ジャン・マリ・ザッキ氏、エルヴェ・ロワリエ氏を迎え4回目となる2014年度フランス絵画研修は、パリにて6月23日(月)から7月3日(木)まで開催された。

ノートルダム大聖堂周辺の美しい河岸

ロワリエ氏と世界遺産の風景を描く

全てが描きたくなるパリの街の風景に参加作家達の期待もふくらむ

研修前半は、ロワリエ氏の指導のもと、ユネスコ世界遺産にも登録されているセーヌ川河岸を拠点に制作。

晴天に恵まれ、研修拠点へ向かうバスからの風景は、パリならではの古き良き街並と、都会のエネルギッシュな一面とが交錯し、研修作家の期待は大きくふくらむ。

観光客で混雑するノートルダム大聖堂周辺から河岸に降りると、一転のんびりとした雰囲気で、絶好の制作場所となる。
大聖堂の後部外観を臨む複数のスケッチポイントを巡り、それぞれが集中して制作に入る。

セーヌ川河岸の絶好のポイントにてそれぞれスケッチする参加作家達

ガイドブックにはのっていない、日常のパリを描く
午後は光が変化するため、ロワリエ氏おすすめのサン・ヴィクトール界隈と、(ルネ・ヴィヴァニ・)モンテベロ広場に拠点を移動。サン・ヴィクトール界隈は、フランソワ・ミッテランの住まいがあったビエーヴル通りをはじめ、13世紀頃から存在する古い小さな路地がいくつも見られ、感じの良い小さなカフェが並び、絵画的な街並をつくりだしている。モンテベロ広場は、東方教会の流れを汲み、パリ最古の教会の1つであるサン・ジュリアン・ル・ポーヴル教会が印象的で、地元市民の憩いの場だ。

大聖堂という難しいモチーフに果敢に挑む作家達を見て、3日目にはロワリエ氏も、「制作のヒントになれば」と、ノートルダムのデモンストレーションを行った。

その確かなデッサン力と色彩感覚、無駄のない筆とペインティングナイフの動きに、一同はメモを片手に熱心に見学した。

一人一人に優しく話しかけ丁寧にアドバイスをするロワリエ氏。(右)ロワリエ氏によるデモンストレーション

〜研修後半= ザッキ氏の熱意溢れる指導による発見

あいにくの雨ではあったが、リヨン駅をクロッキーする

つづいて研修後半にはジャン・マリ・ザッキ氏が講師として迎えられた。

天気は生憎の雨模様であったが、まずリヨン駅周辺を拠点に研修を行った。

雨模様に気転を利かせたザッキ夫妻の好意で、夫人の事務所の一部をアトリエとして使用し、静物画の制作を中心に指導が行われた。

ザッキ氏の教えにより、デッサン以外にも作家として多くの工夫をする事を学ぶ

ザッキ氏の教えで、作家達はありのままを描写するだけではなく、色彩やイマジネーションで画面を豊かにすることを楽しんで制作していた。

研修後半には天気も回復し、ザッキ氏は屋外の拠点としてクレ・ヴェルトを提案。
多くの収穫を得て研修は無事に終了
ここはかつて線路であったアーチ型の橋を、市が緑の茂る散歩道として改装したもの 。バスティーユからヴァンセンヌの森をつなぐ道を沿って花々が咲き乱れ、ジョギングするパリジャンも多く見られる都会のオアシスだ。喧噪から外れ、作家達は橋から眺めるパリのカフェや教会をモチーフに制作した。

毎日様々な表情をみせるパリを描くことで、研修作家達はこの芸術の都が、より身近になったことだろう。

両氏より、限られた時間の中で制作に励んだ作家達に惜しみない賛辞が贈られた

最終日のザッキ・ロワリエ両氏による寸評会では、限られた時間の中で多くの素晴らしい作品を描き上げた参加作家たちへ温かい賛辞が贈られた。

作家達は彼らのアドバイスによる技術的な新しい発見に加え、常に真摯に絵と向き合う両氏のプロ画家としての姿勢に刺激を受けたに違いない。
次回の再会を約束して、研修は終了した。
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