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アトリエ訪問レポート

ロベール・モレル氏 アトリエ訪問レポート
2014年10月17日(金)
2014年サロン・ドトーヌ展へ訪れた日本からの作家代表団達は、ドトーヌ作家のロベール・モレル氏のアトリエを訪問した。モレルご夫妻はパリ近郊の閑静なコロンブエリアの美しい邸宅の中庭にて歓迎の言葉と共に温かく作家達を迎え入れた。
ロベール・モレル氏は、氏のテーマのひとつとして出身地である「モーリシャス島の水辺で働く島民」を描く。
どちらかと言えば淡い色づかいの青や緑を基調にしているが、水と共に生を営む人々の生き生きとしたリズム、瑞々しいエネルギーが画面から溢れ、作品の印象は力強く、明るい。

水面の動き、その中で反射する光の揺らぎ、塩田で働く人々、洗濯する女性たち、漁をする男達のかけ声や息遣い....。
労働にいそしむ腕の動きが観る者に伝わる。
モーリシャスの何気ない日常の一シーンは、日本でもフランスでも変わらない、慎ましい暮らしのなかの一幅であると同時に、昔から連綿と続く自然と労働、歴史時間のなかの勤勉な人類普遍の暮らしの一幅でもある。

人々の殆どは背面から描かれ、我々は彼等の表情を知り得る代わりに、その身体の所作に益々惹き寄せられざるを得ない。
アトリエには、氏の大小の秀作が高い吹き抜けの天上まで架けられ、忽ち皆がその創作の世界観に惹き込まれた。

日本からの代表団も自身の作品紹介と共にモレル氏と互いに意見を交わし合い、有意義で貴重なアトリエ訪問となった。
同日の晩に開催されたドトーヌの夕食会では、会長ノエル・コレ氏他ドトーヌ関係者と共に、モレル氏をお迎えし、昼間の会話の続きを楽しんだ。

一団は別れを惜しみつつ創作の意気込みあらたに、互いの健闘と再会を誓って、夕食会場を後にした。
柔和で篤実なモレル氏の人柄を、これら人間味に溢れる作品の端々に見たように思えた。
ロベール・モレル Robert MAUREL
パリ国立校高等美術学校を卒業後、長年サロン・ドトーヌで活躍、1984年に会員となり、
現在はドトーヌ委員具象部門責任者として、協会を支える重鎮である。
1937年 モーリシャス島に生まれる
1965年 パリ国立高等美術学校卒業
1984年〜 サロン・ドトーヌ会員
1988年 ル・サロン銀賞
2000年 サロン・ド・コロンブ金賞
2003年 キャリエール市金賞
2003年 サロン・ド・ラフレット銀賞
その他受賞多数、個展、グループ展多数
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