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展覧会のご案内

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欧美国際公募 美術賞展報告

第48回 欧美国際公募コルシカ美術賞展/入賞者一覧

本展はバスティア市劇場、同市アルボル、サン・ジウリアーノ市、ヴォンティーズリ市と、コルシカ島の誇る東海岸で結ばれた3市4会場にて、2016年6月17日(金)〜6月26日(日)まで開催され、日本人作家173名252点の独創性溢れる多種多様な技法作品の展示となった。
会期中は開催市内外にとどまらず、コルシカ全土より連日大勢の来場者を集め、去る6月26日(日)、惜しまれつつ大成功のうちに幕を閉じた。また今回特に、ちょうど10年前の2006年展の大盛況を知る現地関係者の間で、例年以上の期待がかけられていた。

日本からの作家代表団として20名が参加、オープニングレセプションや現地市民との交流イベントに参加し、満場の来場者や美術関係者から熱烈な歓迎を受けた。

  • コルシカに到着。ザッキ氏に出迎えられる作家代表団

  • 日本からの作家代表団として20名が参加した

バスティア市オープニングレセプション

  • 街の中心にあるバスティア市劇場

6月17日(金)、バスティア市オープニングレセプション当日は、現地メディアが開会に先駆けて来場、展示作品を詳細に取材した。

本展総監督ジャン=マリ=ザッキ氏と本展代表馬郡文平はインタビューを受け、本展趣旨や展示作品、文化交流イベントについて紹介した。

日本からの代表団はまずアルボルを見学。バスティア市が文化振興の未来を託し、昨年9月に満を持してオープンした総合文化施設には、学生や若い世代を中心に連日大勢の利用者が訪れる。本会場には、“本年を代表する公認作家”として広報中のNEPU代表作家作品を中心に日本現代芸術を象徴する作品が展示された。

  • 最新の総合文化施設《アルボル》

  • ザッキ氏と会場を見学する代表団

オープニングレセプション

壁面が美しい市民憩いの場《バスティア市劇場》1階

レセプション会場の舞台となったバスティア市劇場は、市の文化を象徴し、年間を通して多くの催しで市民に親しまれる伝統ある建物。
開催を心待ちにしていた多数の市民、メディア関係者の前で、市長ピエール・サベリ氏、ザッキ氏らの挨拶を賜った。展示作品を丁寧に回覧したサベリ氏は、「島嶼性」「市民の自律性と清廉さ」「自然への敬意」など、日本作品に通奏する高度な精神性を列挙し、コルシカの風土的精神との高いシンパシーを示した。

開会を祝したバスティア市 市長ピエール・サベリ氏

2015年8月に来日し、国立新美術館にてコルシカの風土、美術に関する講演を行い、参加を呼びかけたザッキ氏より、前回に勝るとも劣らない高水準な作品の集結を誇りに思う旨が述べられ、日本から遥々訪れた作家代表団をあらためて観衆の前で紹介し、歓迎した。
続いて欧美代表代理 馬郡文平が日本からの代表団の紹介と挨拶の辞を述べた。

当日は、バスティアのみならずコルシカ島北部広域から、メディアやインターネットを通じて開催を知ったという多くの来場者が途切れることなく訪れた。来賓をはじめ来場者らは会場を回覧、日本人アーティストとコルシカ島市民、美術関係者の交流の場となった。

  • 寸評を贈るザッキ氏

また、ザッキ氏からは代表団作家ひとりひとりと、出品作品の前で、くつろいだ雰囲気のなか、深淵で示唆に富む寸評が贈られた。

サン・ジウリアーノ市オープニングレセプション

6月18日(土)はコルシカを象徴する澄んだ“海岸”を擁する都市サン・ジウリアーノ市にて、市長フランソワ・グザビエ・セッコリ氏、また隣接するヴァルディ・カンポロロ市からはシモン・リオラッチ氏が駆けつけ、市関係者、多数の来場者と共に開催を祝した。

歓迎の挨拶を贈るフランソワ・グザビエ・セッコリ市長

  • 芸術に対する関心の高い市民

同敷地内に小学校と市役所を持つ当会場には、多くの家族連れの市民が訪れ、熱気溢れる開会セレモニーとなった。
また、開催市の風土・気候と調和する展示をザッキ氏が厳選。

ザッキ氏も作品を1点提供し、日本作品と共演、自然光溢れる高い天井のもと、華々しい展覧となった。

セッコリ市長からは会場を彩る作品に称賛の声が贈られ、ザッキ氏の詳細な解説と共に1点1点を興味深そうに回覧した。

  • 家族連れの市民も多く訪れた

  • ザッキ氏により選出された風土・気候と調和する作品群

  • 栗原光峰女史による書のワークショップ

  • 栗原光峰女史による書のデモンストレーションが開催された

  • ワークショップには町中の大人から子供までが参加した

  • 初めての書を楽しむ市民

  • 異文化に触れ、深まった2国間の文化交流

オマージュイベント

また、同日6月18日(土)は、ヴァルディ・カンポロロ市教会にて、ザッキをはじめとする現地関係者の強い要望と、市の配慮によって、2006年コルシカ美術賞展開催時の功労者である、【クロード・オリベジ氏】と、欧州美術クラブ前代表【馬郡俊文】へのオマージュが捧げられた。
式典は同市市長リオラッチ氏による進行、オリベジ夫人参列のもと執り行われ、本展と共に、翌朝の現地新聞に大きくとりあげられた。

  • ヴァルディ・カンポロロの教会

  • 祭壇に飾られた馬郡代表(左)とオリベジ氏(右)の写真

  • 司祭によって執り行われた式典

  • リオラッチ市長、アンドレア氏、ザッキ氏

ヴォンティーズリ市 オープニングレセプション

6月19日(日)は、コルシカの伝統的な風景の広がる“山”に拠点を置くヴォンティーズリ市にて、市長フランソワ・ティベリ氏と、多くの市民、メディア関係者と共に開会を祝った。

本会場では、簡素で天井の高い構造を生かして大型軸を展示。
初めて触れる日本の伝統的な芸術に感嘆し、ザッキ氏による作品解説に聞き入った。

  • 美しい伝統的な風景に囲まれたヴォンティーズリ市

  • 街中から本展を心待ちにしていた市民が足を運んだ

  • フランソワ・ティベリ氏より歓迎を受ける代表団

  • 「白と黒の世界」と称し、モノクロの大型作品が特別展示された

デモンストレーション・ワークショップなど

3市での開会に際しては、栗原光峰女史による書のデモンストレーションとワークショップが行われ、開催市内外からの来場者や家族連れ、現地アーティストが参加した。栗原女史の先導で、書の世界の魅力が存分に伝えられた。初めて見る日本の伝統芸術の展開に、参加者は驚嘆し、多くの子供達には笑顔が見られた。書のワークショップでは、日本の作家代表団と現地市民との交流の場となった。

現地用特設Facebook

  • バスティア市劇場にてデモンストレーションを行う栗原女史

  • サン・ジウリアーノ市でのデモンストレーション

  • ワークショップでは大人から子供までが初めての書を楽しんだ

  • ヴォンティーズリ会場でのデモンストレーション

  • 市長へ色紙のデモンストレーションを寄贈

アトリエ訪問企画

  • 仏美術雑誌の表紙も多く飾るフランス画壇の中心人物でもある女史

  • バスティアを始めパリでも個展を多く開き、サロンへの出品もかかさない

6月20日(月)、代表団はフランス国内外の画壇で活躍するアントワーヌ・ニコリニ女史のアトリエを訪問。
ニコリニ女史はコレクターからの人気も高く、パリ・ヴォージュ広場のギャラリー・デュ・マレでは作品が常設されている。すでに今回の開催イベントを通じて交流を深めていた代表団には、あらためて女史の制作現場、手法が惜しみなく披露され、温かくもてなされた。
同日、代表団はバスティア市長サベリ氏、文化担当官マッテア・ラカーブ女史と会食。その後急遽、市庁舎に招待され、市長自らバスティア市街と地中海を抱く海岸線を一望する屋上まで案内を賜った。

本展舞台となったコルシカ島は、サベリ市長だけでなくザッキ氏他、多くの来場者も口にするように、非常に日本との類似点が多く、親和性の高さを感じた。

情に厚く、隣人を助け合う古き良き共同体が維持されつつ、精神性は外に向かっても広く開かれ、フランス、イタリアはもちろん日本にも家族、友人が滞在したことがあると話す現地の方々も少なくなかった。
伝統に敬意をはらい、自然を尊重しながら生活を営み、今回のような異文化交流イベントにも瞬時に心を通わせた。

開催各市の先々で熱烈な歓迎を受けた代表団は、現地市民、関係者と途絶えることのない交流と再会を誓い合い、別れを惜しむ声のなか、本展は大成功のうちに幕を閉じた。

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第48回コルシカ美術賞展 入賞者

大賞

大賞:青山 繁「束の間の休日Ⅱ」油彩、65.2×80.3

大賞受賞者インタビューはこちら

準大賞

準大賞:仲 英治「ある風景No.7」、油彩、81.5×117.9

準大賞:杉本 秀子 「印旛村の名木」油彩、82×102

パリ国際サロン賞

パリ国際サロン賞:本田 一誠 「気」水墨、140×90

清水 朱舟「私の夢達」
工芸(着物)/焼き箔、200×200

優秀賞

  • 優秀賞:真船 艶「刻印」
    ガラス、91×91

  • 優秀賞:永名 二委「滝韻」
    水墨、90.9×77

  • 東條 裕志
    「彫刻硝子花器 群虫図」
    ガラス/サンドブラスト、9×9×30.5