パリ国際サロン/ドローイング・版画コンクール 報告

2026年第39回パリ国際サロン報告
展覧会概要
第39回パリ国際サロン2026
会期:2026年4月2日(木)~5日(日)
会場:バスティーユ・デザイン・センター、ギャラリー・デュ・マレ
主催:欧州美術クラブ

展覧会報告
今年で第39回目を迎える「パリ国際サロン」は、4月2日(木)から5日(日)までの4日間、パリ11区にあるバスティーユ・デザイン・センターにて開催された。会場には日本を活動拠点とする作家161名256点の作品が集結。3フロアからなる670平方メートルの会場には日本作家の個性豊かな作品が嬉々として並び、中央空間の高天井より吊るされた全長約4mのロング作品群は会場に独特の躍動をもたらすなど、表情豊かに来場者を迎え入れた。
会期初日、平日にも関わらず本展の開催を心待ちにしていた一般来場者が次々と訪れる中、18時からのオープニングイベント“ベルニサージュ”を前に、本サロン会長ジャン・マリ・ザッキ氏、副会長エルベ ロワリエ氏に加え、フランスを代表するサロンの重鎮ら、本展関係者も続々と来場。美術談義を交わしながら、本展を彩る256点の作品1点1点を丁寧に鑑賞した。
仏画壇関係者、来場者と共に開催を祝う「ベルニサージュ」
会場の熱気がピークに達した18時過ぎ、ベルニサージュがスタート。冒頭、本展を主催する欧州美術クラブ/JIAS代表 馬郡文平が挨拶し、続いてザッキ氏、ロワリエ氏より、長年にわたり継続的に開催されてきた本展への敬意とともに、「伝統と現代性」「繊細さと力強さ」の間で豊かに展開される日本作家の作品群に賛辞が贈られた。来賓を代表し、サロン・ドトーヌ協会会長レヴェック ジャン-クリストフ氏、ならびに同協会副会長ガボ氏による乾杯の発声を皮切りに、会場のあちらこちらで関係者や来場者による熱心な対話と交流の輪が広がった。
広報活動/来場者からのお言葉
会期中、インターネットやSNSでの告知、展覧会やギャラリーなどイベント情報掲載誌、情報サイトでの広報をみて来訪したという方も多く、来場者は皆、作品と真摯に対峙し、時間をかけ観覧した。会場を後にする際、多くが、本展がいかに素晴らしいかを熱く語り、芳名帳には、「素敵な時間をありがとう」「壮大でとても美しい作品群」「インスピレーションに満ちた美しい展覧会」「今年も素晴らしい多様な作品が揃った!」など、個々の作家や作品に向けた賛辞、会場と展覧の調和への賛美、本展との出会いへの感謝の言葉が残された。
また、成約数はわずかであったものの、販売についての問い合わせが多く、以前展での購入者の再訪や、ル・サロン展やサロン・ドトーヌ展で作品を観たのをきっかけに来場した方もおり、新たなファンの獲得を実感した。
ギャラリー・デュ・マレ
また、3月26日(木)~29日(日)、本展協賛先ギャラリー・デュ・マレ代表ポール・フランス・ルチアニ氏、マネージャー シリル・バタイユ氏と協議し、本展予告展として、販売期間を延長することを目的に、ギャラリー・デュ・マレにて「第39回パリ国際サロン~ギャラリー・デュ・マレによる日本・フランス展~」と題したスペシャル展を開催。ショッピングや散策で訪れたヴォージュ広場の回廊より、窓越しに熱心に見入ったり、その後、ギャラリーを訪れ、ギャラリストと談笑する姿が多く見られた。
前週までの肌寒さの残る3月末の気候とは打って変わり、開催を祝すかのような爽やかな4月の陽気に包まれた本展は、大盛況のなか、惜しまれつつスペシャル展と合わせ計8日間の会期を無事終えた。
パリ国際サロン会長 ジャン・マリ・ザッキ氏 ご挨拶
今年で39回を迎える本展は、日本のアーティストによる264点の作品により彩られ、大変盛況となりました。はるばる日本から13名の作家とそのご家族、ご友人らが来場され、本展開催を共に祝うことができ、嬉しく思います。来場者はみな、作品を通して日本のアーティストの皆さんとの対話を楽しんだことでしょう。残念ながら来場が叶わなかった作家の方々も、それぞれが渾身の作品を発表しています。

欧州美術クラブ/JIASは、長年にわたりアートを介した交流の機会を創り続けています。芸術は人と人を結びつけ、国境を越え、普遍的な言語を生み出します。今日ここには、フランスの画壇を担う美術協会、サロン・ドトーヌやル・サロンの関係者も集いました。
今年8月には「第27回日本・フランス現代美術世界展」が、国立新美術館(東京)で開催されます。毎年このような美しく壮大な国際展に私たちをお招きくださり、ありがとうございます。

あらためて、馬郡 俊文氏はじめ本サロン創立に尽力された関係者の皆さまに敬意を表するとともに、志を引き継ぎ、積極的に活動を続ける欧美/JIASスタッフ、そして出品を続ける日本作家の皆さまにお祝いと感謝を申し上げます。
第39回パリ国際サロン ジョセ ティボ氏による展覧会総評
世界各地で欧州美術クラブが主催する展覧会は、さまざまな文化背景を持つ美術愛好家たちに、現代日本のアーティストとの新たな出会い、あるいは再会の機会を提供している。そこでは、油彩、版画、水墨、陶芸、デジタルアートなど、伝統から現代まで幅広い技法を用いる作家たちが、それぞれの作品を国際的に発信しようと意欲的に活動している。

フランスでは、約40年前に親仏家の画商、アートコレクター、美術評論家でもあった馬郡俊文によって創設されたCAEAが、「パリ国際サロン」の枠組みの中で、日本文化に深く根ざしながらも、西洋的な表現技法にも目を向ける日本を中心に活躍する作家たちをフランスの観客に紹介している。現在は創設者の後継者たちが、そのヨーロッパと日本を結ぶ芸術交流の精神を受け継いでいる。
今年、CAEAが「第39回パリ国際サロン」において紹介する作家たちの作品は、バスティーユ・デザイン・センターにて展示される。当サロンの会長は、『Univers des Arts』誌の読者にもよく知られるジャン・マリー・ザッキ氏が担う。

毎年多くの作家が継続して出展していることは、この活動が作家たちの評価獲得への歩みを丁寧に得ている証しでもある。今年もまた、展示構成の質の高さと、日本美術界の豊かな活力が際立っている。出展作品の多くは油彩やアクリルを用いており、風景画や動物表現における卓越した技巧に加え、日常生活の情景や都市風景の描写にも活かされている。一方で、水墨やミクストメディアなどの表現手法を通じて、より幻想的で詩情あふれる、あるいは夢幻的な世界観へと観客を誘う作家たちの存在も見逃せない。また、現代史の暗い側面や近年の環境災害を想起させる作品もあり、一部には重いテーマを扱ったものも見受けられる。しかし、全体としては色彩豊かで生命力に満ちた印象が支配的であり、現代社会の悲劇的な影が差し込む場面においても、絹のような柔らかな色彩を持つ陶芸作品――特に骨壺作品――が、その印象をやわらげている。
さらに、精神性を感じさせる作品や、マンガ文化に由来するイメージ世界への探求も忘れられていない。中には、より普遍的な表現主義に属する作品も存在する。そして、最も根源的な芸術の一つである書道もまた、この展示に欠かせない存在として取り上げられている。力強い作品群は、その悠久の歴史を私たちに改めて想起させる。

本展では、テーマ性や技術面において、鑑賞者それぞれの感性に寄り添う作品が見つかるだろう。それらはどこか親しみ深く、それでいて少し距離感を伴いながら、長らく会わなかった旧友との再会のように、共通する経験を分かち合いながらも異なる形で生きてきた記憶を呼び起こす。
感情や感動は人類に共通するものであり、この種の展覧会は、国内外を問わず芸術の記憶を振り返り、そして未来の芸術に何を期待するのかを改めて考える機会を与えてくれる。
流行に左右されない独自の姿勢を貫くこの第39回サロンは、その長い歴史に新たな一章を加えた。私たちは、この歩みがこれからも末永く続いていくことを心から願っている。
ジョセ ティボ  「ユニベール・デザール」編集長

1994年創刊の美術誌ユニベール・デザール誌パトリス・ド・ラ・ぺリエール編集長の右腕として長年にわたり編集主幹として活躍後、現在、編集長を担う。
日々、活きたアートに接し培われた確かな目を持ち、今回展においては、ミニ個展部門の個人講評を執筆、2021年からは審査員も務める。
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第39回パリ国際サロン 受賞作品

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