パリ国際サロン/ドローイング・版画コンクール 報告

2022年 第35回パリ国際サロン報告

143名の日本作家による242点の作品がやわらかな日差しの注ぐ明るく開放的な会場を彩った

パリの青空に今年も本展の旗が掲げれらた

多くのギャラリーが立ち並ぶパリ3区マレ地区

2022年4月パリ。コロナに関する規制は大幅に緩和され、パリ各所ではすでに賑わいを取り戻していた。前週までとはうって変わり、パリ市内は連日20度を超える日が続き、新緑からこぼれる春の陽射しと花の色が溢れていた。
展覧会概要
第35回パリ国際サロン2022
会期:2022年 4月 14日(木)~17日(日)
会場:パリ市3区 エスパス・コミンヌ
         ギャラリー・デュ・マレ

早々に会場に到着し意見を交わす現地関係者たち


アフタームービー

14日㈭、13時。第35回を数える「パリ国際サロン」開幕。
オープン直後より、一般観覧者が来場する最中、日本からの出品作家ら数名もご家族やご友人と共に到着。18時からのベルニサージュ数時間前には、本サロン会長ジャン・マリ・ザッキ氏、ギャラリー・デュ・マレ代表ポール・フランス・ルチアニ氏、「ユニベール・デ・ザール」主幹ジョセ ティボ氏をはじめ、サロン・ドトーヌ協会より会長ルグラン ドゥニ氏、副会長スナイデル ローズ氏、名誉会長シルヴィ・ケクラン氏、さらに、フランス芸術家協会(ル・サロン)からは会長マドレーヌ ブルノー氏、名誉会長ドゥラルフ マルティヌ氏、その他2大サロンの部門長や会員作家、パリ画壇の重鎮ら多数が駆け付け、まさに“サロン”の如く、熱く美術談義を交わしながら、作品1点1点を丁寧に鑑賞した。
仏画壇の重鎮やアート愛好家が集い開幕を祝うベルニサージュ

ベルニサージュ開幕を告げる本サロン会長ジャン・マリ・ザッキ氏

会場の雰囲気もピークに達した18時過ぎ、ザッキ氏の発声でベルニサージュがスタート。来賓を代表し、サロン・ドトーヌ会長ルグラン氏、ル・サロン名誉会長ドゥラルフ氏よりご挨拶を賜った。「先に全作品を鑑賞させていただいた。新しい作家、若い作家作品もさることながら、旧知の日本作家の多くにも新たな展開が見られ、新鮮な驚きの連続だった。長く困難な時期にも本サロンが歩みを止めることなく作品発表の機会を保ち続けたことの成果だと信じている。今後も欧州美術クラブ、サロン・ドトーヌで日仏の芸術交流をリードしていきたい(ルグラン氏)」。「欧州美術クラブとフランス芸術家協会(ル・サロン)の協力は長年にわたる。この2年間、作家にとっては難しい時間が続いたが、これから状況が良くなり、日仏芸術の幸せな発展と継続を願う。ル・サロンは残念ながら昨年は不催行となったが、今年はグラン・パレ・エフェメールで開催。日本からの多くの作家も参加してくれた。これからも永遠の絆と芸術交流を願う(ドゥラルフ氏)」。
  • サロン・ドトーヌ協会 ルグラン会長

  • フランス芸術家協会 ドゥラルフ名誉会長

  • パリで最古のヴォージュ広場に面したギャラリー・デュ・マレ会場

  • 春の日差しを求めて多くの人が行き交う

「パリを世界一美しい街に」という願いをこめてアンリ4世が建造したヴォージュ広場を取り囲む廻廊に立ち並ぶパリ屈指のギャラリーのひとつギャラリー・デュ・マレ。前日の興奮冷めやらぬ翌15日㈮、もう一つの会場同ギャラリーにてベルニサージュ第2夜が催された。
ザッキ氏や関係者に加え、ギャラリー代表ポール・フランス・ルチアニ氏、マネージャー シリル・バタイユ氏らを中心に、昨夜に続いての来場者、同ギャラリーの常連客と共に、夜遅くまで開催を祝した。バタイユ氏は今回の本展作品を「クラシック、前衛的、ポエティック、モダンなアート作品。それぞれ高次元で個性を発揮し、東洋的感性でしか表現できないものが具現化されている。回廊を行き交う人々が普段とは異なる反応を示し、多くの反響が寄せられた」と評した。
アートを介した日仏芸術交流
  • 日本にいるスタッフに向けて笑顔で手をふるフランス関係者たち

本展は最終日の17日㈰を無事迎え、総数143名242点の多種多彩な作品は、多くの驚きと発見、反響をパリの街にもたらした。毎年の開催を心待ちにしていた愛好家はもちろん、本展開催を知って足を運んでくれた方、散歩のかたわらに立ち寄ったという家族連れが多数来場。中には、偶然通りかかった後、日をまたいで再来場し、観覧を楽しむ来場者の姿もあった。本展作家や作品販売について問い合わせる声が終日途絶えることなく、数点が販売成約に至った。
困難な時間を力に変え、表現を通して人々に喜びを与えられる「アートの力」を証明し、日本とフランスの今後ますますの芸術交流の再出発を印象付けた記念すべき35回展であった。
パリ国際サロン会長 ジャン・マリ・ザッキ氏によるスピーチ
35回を誇る「パリ国際サロン」開催に際し、明るい春の陽ざしの下、この度もお集まりいただき、ありがとうございます。また、残念ながら、まだパリにいらっしゃれない、日本の作家のみなさまにも会場よりご挨拶いたします。

欧州美術クラブ/JIASの活動は、日本とフランスの現代アート運動を結び付け、刺激しあい、高めあう、ダイナミックな交流を創造しています。本日、臨席している何人ものフランス作家は国立新美術館(東京)で8月に開催される関連展「日本・フランス現代美術世界展」の出品作家でもあり、その巡回展として本年7月、パリ近郊ランブイエの舞台が用意され、日仏アートがここでも共演します。本日ここには、フランス画壇を担う美術協会、サロン・ドトーヌとル・サロンの会長、前会長(現名誉会長)が揃いました。実は、私達はフランスにいながら東京の欧美/JIASの活動で知り合い、本展で再会し、懇親を続けています。その他にも、いくつかの在仏文化芸術協会関係者らも、この貴重な機会を逃してはならないといそいそと来場されております。

本サロンはもちろん、欧美/JIASが手掛ける展覧会はアートを愛する全ての者に門戸が開かれ、常に新鮮な風が吹き込まれています。かつての浮世絵と印象派のダイナミックな相互発展のように。このような開放と相互の刺激はアート運動に欠かせないことを我々は知っています。
あらためて、本サロン創立に尽力された馬郡 俊文氏、ポール・アンビーユ氏、ドートリーヴ・アルノー氏に深く敬意を表します。また、その遺志を引き継ぎ、本日まで発展させた馬郡 文平氏にも心よりお祝い申し上げます。

なお、残念ながら、本展副会長ロワリエ氏と「ユニベール・デザール」編集長パトリス・ド・ラ・ペリエール氏が体調を崩しベルニサージュに参加できませんでしたが、彼らも本展の開幕を心より喜んでいます。そして、彼らにはこの大成功の様子を私から報告します。

最後に、日本の作家のみなさま、どうぞ筆を止めることなく描き続けてください。そして、次回必ず、東京あるいはパリにて再会いたしましょう。
パトリス・ド・ラ・ペリエールによる本展総評
決意をもって継続する勇気こそ本展が常に存在感を示す所以である
私たちの友人、馬郡 俊文氏が始めた「パリ国際サロン(SIP)」は、時を経て、今日の日本のアートを知りたいと願う多くのコレクターや愛好家が待ち望むイベントとなった。

今年もパリ国際サロンは、画家、彫刻家、デッサン画家、工芸など多彩なアーティストによる242点の作品を展覧するアートイベントを創りあげた。
参加するすべてのアーティストが、何世紀にもわたり芸術史を築いてきた人々と並ぶ才能を用いて、非常に多様でオリジナリティ溢れる独創的な作品を発表したいという共通の願望を持っており、
彼らは、伝統を否定することなく、むしろ創作の要素として取り入れながら、現代的作品を創り、詩と魅力をまとった独創的な作品を来場者へ提示したいと願う。

もちろん、この場で2022年展のすべての作品について言及することは叶わない。それぞれの作品に言うべきことが沢山あるのだ。印象派のインスピレーションによる風景画、様々なテクニックや手段による伝統的絵画、非常に繊細な版画、古代の、しかし常に日本人の心に息づいている生活の真の証である人形作品、ペンやクレヨンのデッサン、私たち観るものを喜ばせるためにマチエールやその他の貴重な探究が画面上で実現されている。

確かなことは、来場者はこの豊富なコレクションの中で、自らに最も語りかける作品について豊かな感受性で受けとめ、選択するための材料を見つけるだろうということ。また、例年同様≪ミニ個展≫部門では、愛好家が同一アーティストの複数作品を「個展」として楽しむことができる点にも言及すべきだろう。
人々が交流し、疑問を投げかけると共に、豊かな文化をもつ遠く離れた国をよりよく知る機会でもあるこのようなイベントの一期一会の愉しみを我々は忘れてはならない。

パリ国際サロンはこの35年間を通じて、多くの日本のアーティストを興味深く発掘し、日出ずる国が多くの側面を持ち、多くの発見を伴う豊かな芸術世界を隠し持っていることを証明すると共に、このサロンが注目され、足を運ぶべきものであることを証明してきた。
今日の衛生環境の様々な問題を考えると、避けることのできない状況下でも、決意を持って継続する勇気を与えてくれた本展の主催者、特にスタッフを率いる代表の馬郡 文平氏、そして画家ジャン・マリ・ザッキ氏に感謝しなければならない。そしてそれこそが、パリのアートの全景の中で、本展が常に存在感を示してきた理由であり、多くの人々がその呼びかけに応え足を運ぶ理由なのである
パトリス・ド・ラ・ペリエール

美術誌ユニベール・デザール(1994年創刊)の共同創始者兼編集者

-フランス・韓国文化賞(2004年在仏韓国大使館)
-芸術勲章受勲(2005年フランス文化省)
-韓国文化功労翡翠褒賞(2007年韓国大統領)
-《陸軍公認画家》(写真部門)指名(2007年フランス防衛省)
-《芸術-科学-文学協会》ヴェルメイユメダル(2008年)
-パリ市ヴェルメイユメダル(2009年パリ市長)
-仏陸軍公認画家協会会長選出(2013年)、他多数
パリ会場でお聞きした来場者の声をご紹介します!
◆第35回展 来場者の声 インタビュー動画 2022.6.21UP







■パリの中心地での本展をいつも楽しみにしています。バラエティ豊かな作品が光の中で調和する素晴らしい展覧会でした。

■個性的なスタイルやテーマ、熟練したテクニックの様々な作品が、一つの会場で自然と調和を生み出していました。このような時期でも作品が代わりに旅してくれることはアーティストの特権だと感じました。

■長年にわたり日本とフランスのアーティストや作品が相互に交流する姿を見てきましたが、とても美しい展覧会でした。このサロンに関わるすべての皆さんに感謝を送ります。

■私もアーティストですが、芸術の街パリの、マレ地区の好立地にある会場で作品を発表するのは素晴らしいことだと思います。とても楽しく観覧し、とても感動しました。

■初めてこの展覧会を訪れました。日本のアーティストの皆さんの素晴らしい創造力をみ
せていただき、ありがとうございました。ぜひ多くの人に足を運んでもらいたいですね。

■多様性に富んだ質の高い作品。この中で、どの作品が好きか答えるのは簡単ではないですね。すべての作品を観るのが楽しかったです。

■いつものアーティストの作品から初めてみるアーティストの作品まで、エネルギーに溢れる、まぎれもない「日本」の作品に出会えて幸せです!

■現代アートから伝統的アートまですべてがありますね。偶然この展覧会を見つけることができて、とても嬉しいです。

■創造力あふれた会場を隅々まで観覧しました。入ってみて本当に良かったです。日本のアーティストの皆さんに、ありがとう!

■想像を超えた美しい作品を見つけました。アーティストの皆さんに祝福を送ります。

■スタイルや素材の異なるバラエティ豊かな作品が展覧されていて、観るのが楽しいです。

■自然と興味をそそられて入りました。偶然にも気に入った絵を描いたアーティスト本人と会場で出会うことができました。本当に良かったです。

■会場を一周して、本展のバラエティの豊かさと興味深さを実感。パリで作品を発表してくれて嬉しいです。次の再会を楽しみにしています。

■毎年このサロンを訪れています。皆さんが日本とフランスを近づけることに貢献していると思います。この異世界、でもとても身近な世界に足を踏み入れることが、私の楽しみです。

■とても興味深かったです。日本ならではの作品も見つけることができ、フランス、特にこのパリで日本文化を知ることができておもしろかったです。

■今まで知らなかった日本の皆さんの多様な作品と出会うことができました。とても良いひと時でした。また来年も来たいと思います。

■日本を知っていると思っていましたが、この展覧会で日本の素晴らしい作品の発見を楽しむことができました。

■この展覧会の質の高さを知って、この場に参加できたことを嬉しく思います。皆さん本当におめでとうございます!ブラボー!

■日本とフランスは長年にわたり交流を続けてきました。それがこのような素晴らしい冒険となり、共有体験を生んだのだと実感しました。

■たくさんの感情をまとった人物画を見つけました。そこにはすべてが映し出されていて、感情や心の動きが一つの世界を創っていました。

■多彩な展覧会。特に夜の雪景色など日本の風景を描いた作品に心惹かれました。
本展公式Facebookにて展覧会アルバムを公開しています。ぜひご覧ください。
第35回パリ国際サロン 受賞作品
受賞者発表は「第35回パリ国際サロン 受賞者一覧」をご覧ください
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