HOME > 展覧会レポート:エコール絵画研修報告 > 2015フランス・エコール 「フランス屈指の大聖堂を要するシャルトルで開催」

エコール絵画研修報告

2015年のエコール絵画研修は、フランス屈指の大聖堂を要するシャルトルで開催!
フランス画壇の第1線で活躍するプロ作家からの質の高い少人数制の直接指導を受け、作家の技術的・精神的飛躍を目指すエコール絵画研修。

第5回目を迎えた今回は、パリから80kmほどの所にあるサントル・ヴァル・ド・ロワール地方にあるシャルトルにて、2015年6月17日(水)から6月25日(木)まで開催された。
光のシャルトルが織りなす魔法に魅せられる

シャルトル大聖堂遠景

研修作家はシャルル・ドゴール空港から車で1時間半ほどでシャルトルに到着。
ホテルにて、前半研修の講師であるロワリエ氏の温かい出迎えを受け、夕食後に早速、講師と研修作家でホテル周辺の下見に出かける。

日が沈みかける中で、川の向こうに遠目に佇むシャルトル大聖堂は荘厳で美しく、作家たちの期待は高まる。

迫力のシャルトル大聖堂を正面から望む

  • ユール川沿いの風景

  • 裏庭テラス

翌日はまず、スケッチポイントの下見に出かける。まず訪れたのはユネスコ世界遺産に登録され、フランスにおけるゴシック様式建築の中でも格別に美しいと讃えられる有名なシャルトル大聖堂。玄関口に施された精巧な彫刻は12世紀の建築以来、何度かの火災をも乗り越えそのままの姿をとどめている。建築された当初は全ての彫刻に彩色が施されており、非常に鮮やかな外観だったとのこと。
内部のステンドグラスは当時の一流の職人・アーティストが一丸となって作り上げた芸術と技術が見事に融合した一級品である。時が経つに経て深みを帯び、大聖堂を包む「シャルトルブルー」といわれる青い光を前に、時が経つのも忘れてしまう。ゴシック建築の特徴である飛び梁が印象的な大聖堂の後陣側は広々とした庭園になっており、のんびりとした雰囲気。描くにはうってつけの場所だ。木組みの歴史を感じさせる家やパステルカラーの石造りの家が並ぶ街並を歩くが、どこからも大聖堂の尖塔が顔を見せ、住民にとってどれほど神聖なものかがわかる。ウール川沿いに降りると、古い石橋の下に、水面が空と緑の木々を反射して静かに揺れ、牧歌的な風景が広がる。所々に咲く6月の花々も美しい。
天候の変化も研修の醍醐味
たっぷりと下見をし、それぞれがポイントをきめていよいよ制作に入ろうとしたところで、突然雨が降ってきてしまう。しかし、多少の雨はもろともしないのがエコール作家。そんな彼らの熱意に、ロワリエ氏も深く感銘をうけていた。夜には雨もあがり、夕食の帰りにはプロジェクションマッピングでカラフルにライトアップされた、かつての大聖堂の姿を見る。研修1日目にしてシャルトルの魔法に魅せられたようだ。

一人一人に丁寧にアドバイスをするロワリエ氏。

研修二日目。ロワリエ氏のデモも。

シャルトルの空気を感じながら集中して制作 する作家たち

2日目は、ロワリエ氏のデモンストレーションからスタート。「自分が描きたいと思った対象を選ぶのが大事」と、入念にデモンストレーションの場所を下見していたロワリエ氏が選んだのは、古い石の色のトーンに魅せられたという、ユール川沿いのサン=タンドレ教会。彼ならではの色彩のテクニックを間近に見て、研修作家は大いに刺激をうけていた。午後には晴天に恵まれ、作家たちは集中して制作を続ける。

プロジェクションマッピングで幻想的にライトアップされる大聖堂

ロワリエ氏も一人一人をまわり、時にはユーモアも交えながら、丁寧なアドバイスを与える。
それぞれがロワリエ氏の優しさに心を打たれ、前半研修は終了。

自由講習日は賑やかな地元のマルシェ等に行きリラックス。
ザッキ氏による研修がスタート
21日からは、いつもバイタリティあふれるジャン・マリ・ザッキ氏による後半研修がスタート。ザッキ氏は、風景画における画面構成の大事さや、美しい混色を作る為のアドバイス等、「研修に参加している作家には皆、自分の知る限りの事を教えたい」という熱意のもと、時に自ら木炭を手に直接指導を行った。ザッキ氏はまた、研修作家にぜひシャルトル大聖堂を触るようにとアドバイス。「磨り減った石や錆びた格子に直に触れることで、その何世紀もの歴史を感じることは良い効果をもたらすだろう」と、ザッキ氏ならではのこだわりと精神を感じさせた。

画面構成の大事さや、美しい混色を作る為のアドバイス等を送るザッキ氏

熱心に直接指導するザッキ氏と参加作家たち

研修も何日目かになると、描いている絵をきっかけに、研修作家と街の人との間で自然と交流が生まれるのは、小さな街での開催が多いエコールならではの風景だ。

小さな子供から大人までが、賞賛の言葉を口にしながらイーゼルの後ろで真剣に作家の絵とモチーフを見比べ、いつもの街並が作家達の手によって絵画になっていく瞬間を喜んでいるようだった。

街の人との間で自然と交流が生まれる

研修最終日には、素晴らしい作品を仕上げた各作家の一人一人にザッキ氏が寸評を贈って和やかに研修は終了した。

参加作家には、後日、ロワリエ氏とザッキ氏による書き寸評も贈られる。
既に何回かエコール研修で参加している研修作家は、回を重ねる度に明らかな進化を見せ、作家が両講師の技術や精神を間近で感じることによって生まれる相乗効果には計り知れないものがある。
シャルトルでの温かい人々の思い出を胸に幕を閉じた今回のエコール研修。次回はザッキ・ロワリエ指導の下、ピカルディー地方のサンリス(Senlis)にて5月開催が予定されている。
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