パリ国際サロン/ドローイング・版画コンクール 報告

第29回パリ国際サロン報告 / 受賞者一覧
「第29回パリ国際サロン」は、2015年11月27日(金)から29日(日)まで、パリ3区にあるエスパス・コミンヌ、ギャラリー・ジョセフ ミュゼ・ピカソ、ギャラリー・デュ・マレの3会場にて開催され、日本作品208点(内、個展部門15名65点、ドローイング部門27名35点)がパリの美術愛好家達を魅了した。
・Galerie du Marais ( 21 place des vosges)
・Espace Commines (17 rue commines)
・Galerie Joseph ( 4 place de thorigny)
  • ギャラリー・ジョセフ ミュゼ・ピカソ

  • ギャラリー・デュ・マレ

本展垂掛幕が掛けられ、パリの街を彩る
  • 賑わうエスパス・コミンヌ

  • 28日ギャラリー・デュ・マレにて

会場毎に個性があり、日本作家の研ぎ澄まされた感性・技法から成る世界観を演出
3会場には、本年より新たに和を彷彿させる本展垂掛幕が掛けられ、注目を集めた。

メイン会場のエスパス・コミンヌでは、開放感のある広い空間の中に欧美オリジナルスペーススタンドが見事に調和し、様々な技法による個性美あふれる作品が紹介された。3区の中でも話題のスポットが次々とオープンするこのエリア。感度の高いパリジャンが集まるだけに、来場者は時間をかけて日本芸術の多様性を堪能していた。

ピカソ美術館至近の絶好のロケーションにあるギャラリー・ジョセフ ミュゼ・ピカソには個展部門作品が紹介された。ショーウィンドーに惹かれ訪れた来場者たちは、質の高い作品群、個展形式でより一層深く感じられる、日本作家の研ぎ澄まされた感性・技法から成る世界観に魅了されていた。

そして協賛画廊であるギャラリー・デュ・マレには日本作品とギャラリー作家のアントワネット・ニコリニ女史の作品が共に紹介され、日仏芸術交流の振興を感じさせた。
  • 賑わうエスパス・コミンヌ

  • ミュゼ・ピカソにてジャン・マリ・ザッキ氏と

馴染みの作家が集結したベルニサージュ
27日にコミンヌ、28日にギャラリー・デュ・マレにて行われたベルニサージュには、欧美と古くから馴染みの美術関係者・現地作家等が数多く訪れ、口々に今回展の成功を讃えた。

27日(金)の寸評会冒頭において、パリ国際サロン会長ジャン・マリ・ザッキ氏は、同月 13日のパリの事件直後であったが現地を訪れた作家代表団に、深い歓迎と感謝の意を表した。

また、今回展の作品全体のクオリティを賞賛し、開会を祝った。
ザッキ氏から作家へ、それぞれの作品の前で今後のアドバイスも含めた真摯な寸評が贈られ、本展関係者である美術雑誌編集長パトリス・ド・ラ・ペリエール氏、美術評論家ロジェ・ブイヨ氏も交え、充実した時間であった。

代表団は翌日28日(土)、グランパレのル・サロンを含む統合サロン「アール・キャピタル」を見学。国際作家のレベルの高い作品群をじっくりと見学した。また、29日(日)には、ル・サロン役員のクリスティーヌ・オベルチュール女史のパリ15区のアトリエを訪問し、楽しい時間を過ごした
  • 左よりザッキ氏、ロジェ・ブイヨ氏、パトリス・ド・ラ・ペリエール氏

  • 一人ずつに熱心で丁寧な寸評がされた

広報グローバル化により、多くの仏市民から関心を寄せられた
「第29回パリ国際サロン」は29日(日)に好評の内に終了した。

来場者からは

「目に贅沢な、心を満たす素晴らしい時を過ごした」
「多様性、技巧、想像力。様々な表情を見せるこの展覧会は、様々なことを考えさせてくれる」
「この素晴らしい空間を彩るこれらの作品を見ることができ、うれしい驚きであった。洗練された日本の感性に心奪われた」

等、感嘆の声が寄せられた。
フェイスブックでも依然多くの関心を集めており、記念すべき次回30回展のより一層の飛躍・発展を期待したい。
第29回 パリ国際サロン総評
パリの文化シーンの中でも正に第一級といえる独自の存在感を放つこのサロンが、常に進化し続けていることを実感し嬉しく思う。どの会場を訪れても、作家、作品の数だけ優れた才能を見出すことができるのだ。 このパリ国際サロンの多様性は、今日の日本の空気感はもとより、最新の日本の風をも見事に映し出す。それは増加の一途をたどる探究心旺盛なパリの観衆に喜びをもたらすのである。
欧州美術クラブ代表とスタッフ、そしてパリ国際サロン会長のジャン・マリ・ザッキへ、今回展の成功を祝し、喝采を送りたい。
旧友である馬郡俊文との褪せることのない思い出を胸に、素晴らしい質の高さをみせた全作品について評を述べることは私にとって喜びである。
そして、私の感動を作家である皆様と、こうして共有できることを誇らしく思う。
<ロジェ・ブイヨ氏 紹介>
フランスの美術評論家。
「パリ国際サロン」創立者の1人として、第1回展より日本作品を見つめ続けている。美術雑誌「L’amateurs d’art」、「Arts」「L'Oeil」やラジオ等にて幅広く活躍し、著作も多数。
フランス画壇、美術関係者から熱い信望を得ていた。



*長年パリ国際サロンにおいてご尽力いただいておりましたロジェ・ブイヨ氏は2017年2月逝去されました。ここに心から哀悼の意を表するとともに謹んでお知らせ申し上げます。
2016年 第29回パリ国際サロン 受賞者発表

大 賞

大 賞 : 岩谷 富男 「夜」混合、74.7×92.9


受賞者インタビューを見る

ザッキ賞

ザッキ賞:中村 マヤ「CORRIDOR-9」油彩、 82×62

ロジェ・ブイヨ賞

ロジェ・ブイヨ賞:今村 天美「去年(こぞ)の庭II」日本画、 118.7×93

ロワリエ賞

ロワリエ賞:岩谷 富男「海」混合、92.9×74.7

ギャラリー・デュ・マレ賞

ギャラリー・デュ・マレ賞:青山 繁「すがすがしい朝」油彩、80.3×65.2

浮世・絵賞

浮世・絵賞:臼井 法子 「博多祇園山笠」水墨/ペン、90×60

浮世・絵賞:小村 順 「美わしき山」染色(山羊皮)、91×65.2

浮世・絵賞:朋百香 「no excuse」ミクストメディア、65.5×97.2

優秀賞

優秀賞:大和田 明代 「春が来た(Spring has come)」油彩、53×73

優秀賞:大久保 信子 「祈りのとき」水彩、53×43.5 65×50

賞審査員
●ジャン・マリ・ザッキ(ル・サロン名誉会長/パリ国際サロン会長/NEPU会長/レジオン・ドヌール勲章受章)
●ロジェ・ブイヨ(美術評論家/新エコールドパリ浮世・絵美術家協会初代事務総長)
●エルベ・ロワリエ(サロン・ビオレ名誉会長/フランス教育功労章オフィシエ)
●ポール・フランス・ルチアニ(ギャラリー・デュ・マレ代表)
●馬郡 まりこ(欧州美術クラブ代表 審査アドバイザーとして参加)
その他現地報告
現地用Facebook(フランス語/日本語)にて、展覧会の模様、展示風景などご紹介しています。
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