HOME > 展覧会レポート:日本・フランス現代美術世界展関連 > 第18回 日本・フランス現代美術世界展展覧会報告(2017)

日本・フランス現代美術世界展関連

308点の多種別の多彩な展示空間が広がる展観

6度目の国立新美術館開催

第18回日本・フランス現代美術世界展 報告


JIAS日本国際美術家協会が主催する本展は、去る2017年8月9日(水)から20(日)の11日間をもって会期を終了した。国立新美術館での開催は6度目となるが、回を重ねるごとにより多くの来館者を迎える事が出来、また毎年必ず足を運ぶという本展愛好家も増え、毎夏本会場での開催が定着してきた様子が伺い知れる回となった。


■第18回日本・フランス現代美術世界展
会期:2017年8月9日(水)〜20日(日)
会場:国立新美術館(東京 六本木)
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
   駐日スペイン大使館/外務省
特別協賛:サロン・ドトーヌ



会場入口ではイメージカラーとなった朱赤のサインボードが目をひき、3階という最上階室でありながら、途切れる事なく来場者を迎え続けた。
展示会場に一歩足を踏み入れると、近代的で開放的な空間の中に、邦人作家190名223点の作品を中心に、仏・蘭・西・中・米の多国籍による海外作品85点による総計308点の多種別の多彩な展示空間が広がる展観となった。
とくにフランスからはサロン・ドトーヌ協会の特別協賛による、ドトーヌ作家の新作65点と、仏サロンで現在も活躍中の重鎮作家の14点が展開し、国内ばかりでなく海外からも大きな注目を集めた。
  • 朱赤のサインボードが目をひいた

多種別の展示が来場者を迎えいれた

8/9(水)の関連イベント

講演会を行うカロリナ・ガルシア-スアレス

《スペイン講演会》
会期初日の8月9日(水)には、同会場内講堂にて関連イベントが執り行われた。
まず初めに次回美術賞展開催地スペイン・ヒホン市よりヒホン市議会長カロリナ・ガルシア-スアレス女史によるスペイン講演会《街の未来を切り開くツールとしての文化》が開催された。
青い海と緑の美しい北スペインの歴史や伝統・美術の講演が行われヒホンの文化的な街の映像が次々に紹介。参加者達は熱心に聞き入った。
  • 《街の未来を切り開くツールとしての文化》を講演

  • 集った参加者は熱心に講演に耳を傾けた

講演会のテーマとなった「ヒホン市」は、次回(2018年)欧美国際公募 スペイン美術賞展の開催地として決定。(応募締め切りは2017年12月1日まで)
その他イベント
《表彰式》
続いて講堂にて行われた前年度展覧会入賞者を対象とした《表彰式》では、プレゼンターに来賓のサロン・ドトーヌ会長シルヴィ・ケクラン女史、本展仏側名誉会長のジャン・マリ・ザッキ氏をはじめ、スペイン ガルシア-スアレス女史、本展協賛会社を迎え、入賞者達は自身の入賞作品画像を前に表彰状や副賞等が授与された。
オープニング・レセプション

左から)キューバ大使館クラウディオ・モンソン二等書記官、文化担当パトリシア・フレチジャ三等書記官、スペイン ガルシア-スアレス女史、サロン・ドトーヌ会長シルヴィ・ケクラン女史、本展仏側名誉会長のジャン・マリ・ザッキ氏、協賛会社各社

続いて開催された《オープニングレセプション》でキューバ大使館クラウディオ・モンソン二等書記官、文化担当パトリシア・フレチジャ三等書記官も来賓に加わり、本展の開催を祝す挨拶を賜った。最後にJIAS/欧美新代表となった馬郡文平による挨拶の後、各社協賛会社と出品作家らによる約140名は、本展成功を願い、華々しく開催を祝した。
  • オープニング・レセプションでは来賓と作家が華々しく開催を祝した

  • ケクラン会長とジャン・マリ・ザッキ氏

  • 文化担当パトリシア・フレチジャ三等書記官

  • 海外作家も多く駆けつけた

国内での開催ではあるが、来賓をはじめ多く会場に集った海外芸術関係者らと日本の作家らが親しく交流し、新しい語らいの輪が広がる…同空間に多国籍の作品を展観する“国際的世界展”のごとく醍醐味をまさに感じた場となった。
《寸評会》
翌10日(木)には展示会場にて《寸評会》を開催。講評者にケクラン女史、ザッキ氏、ガルシア-スアレス女史を迎え、自身の作品を前に寸評が贈られた。
講評者はそれぞれ多大な熱意と準備をもって臨み、いずれも実直で熱心な講評であった。
作家への寸評は6時間以上にも渡り、最後の一人を終えた時、作家達により自然と盛大な拍手が沸き起こった。
参加作家からは国際基準における自身の作品の評価と真摯に向き合う事ができ、今後の制作の糧となったという声が多く寄せられた。


また、講評者らよりメッセージを預かった。
「作品を前に作家と臨場感を共有して講評を贈ることができた事は大変喜ばしく、貴重な体験であった。日本人は奥ゆかしいが故、その感情表現を読み解くことは難しかったが、今後の活動に活かしていただけたら非常に嬉しい。
質の高い作品はさらに高い品質を招く。展覧会は自身を知り、自身と競い合う場である。
これからも皆様の積極的な活動とその成果を楽しみにしている。」
チャリティープロジェクト
  • 会場受付に設置された募金箱には63,000円が寄付された

  • 高田市保育協会へ贈られたスケッチブック

また、会場入口には本年も東日本大震災被災地支援チャリティー「陸前高田の絵の好きなこども達へ画材を贈るプロジェクト」の募金箱が設置され、寄せられた63,000円の義援金からスケッチブック750冊が高田市保育協会を通じて同市保育園に贈られた。

本展は猛暑最中の会期ながら、昨年を上回る来場者が詰めかけ、大盛況のなか惜しまれつつも閉会した。

>被災地支援プロジェクト報告ページはこちら
  • 何度も作品を鑑賞するケクラン女史

  • 海外作家も多く駆けつけた

●欧州美術クラブ公式facebookにて本展風景アルバムがご覧いただけます。
 
↑第18回日本・フランス現代美術世界展風景 アルバム
第18回日本・フランス現代美術世界展 入賞者発表
大賞

瀬野 清 「父と子」油彩 92.4×73




大賞 受賞者インタビューはこちら
日仏賞

林 陽子 「音の戯れ」アクリル  61×73

筒井 義明  「ケブライ‘17」油彩 100×80.3

サロン・ドトーヌ賞

川瀬 雅子   「木枯らし」切り絵  94.4×76.1

田村 康夫    「働くアリ」工芸   20×18×30

パリ国際サロン賞

古市 孝    「折り鶴に願いを込めて」油彩 116.7×91

近藤 美峰    「Le Mt. Fuji」水墨  74×103

新エコールドパリ浮世・絵(NEPU)賞

別府 忠雄    「黎明富士」油彩 72.7×90.9

船田 春光    「Scène solitaire(孤独な舞台)」装芸画 80×100

梶田 幹穂     「神からの光 Ⅰ」水墨 85.8×59.3

優秀賞

田村 雅彦    「鮭」日本画 87.4×60.4

岩谷 富男    「光に佇む」混合 119×92

吉田 梢太郎    「望まぬ葛藤」 アクリル 80.3×100

審査員
ジャン・マリ・ザッキ      本展フランス側名誉会長兼運営委員長、ル・サロン名誉会長
                新エコールドパリ浮世・絵美術家協会会長他
エルベ・ロワリエ        サロン・ビオレ名誉会長、フランス教育功労章オフィシエ他
パトリス・ド・ラ・ペリエール  フランス美術雑誌ユニベール・デザール編集長
シルヴィ・ケクラン       サロン・ドトーヌ新会長
馬郡 まりこ          JIAS /欧州美術クラブ代表 審査アドバイザーとして
特別賞 第18回日本・フランス現代美術世界展協賛賞
●マイメリ社日本総代理店、株式会社大日本美術工芸
【マイメリ賞】
副賞:「マイメリ・アーティスティ画箱セット」
  根田 穂美子  「そして、未来へ」油彩・アクリル 83×102
  河野 正子   「アザレア」 油彩 92×73

●株式会社 クサカベ 
【クサカベ賞】
副賞:「水性アルキド樹脂絵具/アキーラ12色セット」
  宮向井 勇   「路地」 アクリル 92.8×74.5
  髙頭 廸明   「今日のテーブル」 油彩・アクリル 75×53
  堀越 照雄   「ありし日の父」 アクリル 100×80.3

●株式会社 生活の友社 美術の窓
【美術の窓賞】
  副賞:「月刊『美術の窓』半年購読」
  今井 みどり  「森の響き」 油彩 80.3×100

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