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ル・サロン報告

「ル・サロン2020」第230回 展覧会報告

ライトアップに染まるグランパレの外観

本年で改装となる現グラン・パレの有終の美を飾った統合サロン
第230回を数えるフランス芸術家協会主催「ル・サロン2020」は2020年2月11日(火)から16日(日)まで開催された*脚注[1]
会場グラン・パレ*脚注[2] の象徴“丸天井(ヴェリエール)”の下、コンパレゾン、デッサン・水彩サロン、アンデパンダンを含む歴史的サロンとの統合サロン「アール・キャピタル」として、本年で改装となる現グラン・パレの有終の美を飾った。

展覧会名:2020年ル・サロン
     La 230ème édition du Salon des Artistes Français
会期:2020年2月11日(火)から16日(日)*11日はベルニサージュ
会場:グラン・パレ(パリ)
主催:フランス芸術家協会
2020年2月11日。一般公開前、主催者・出品作家関係者のための「ベルニサージュ」。午前中、一時は荒れ模様だった雨が上がり、15時開場の頃にはセーヌ左岸から澄み渡る冬空が広がった。グラン・パレの偉容にトリコロールのネオンが揺らぎ、待ち遠しくつめかけた1万人超の来場者を出迎えた。

会場内部に入るとそれぞれの4サロンが個性を遺憾なく発揮。とりわけ「ル・サロン」作品郡は、いずれもアカデミックで厳格なデッサン力を基盤に、高質な独創性を構築、他サロン展覧と一線を画し、観る者を圧倒した。
欧美/JIAS馴染みのフランス重鎮作家らと共に、日本作家の作品を観覧し親交を温めた
日本からの作家団は18時に会場入り、ル・サロン名誉会長ジャン・マリ・ザッキ氏や同サロン作家らに迎えられた。
ザッキ氏は今回も大作「皇帝のブーケ」を出品。氏の長年の主題に研ぎ澄まされた品位と高潔さが加わり、新境地を示した。
ロワリエ氏(サロン・ビオレ名誉会長)、トパン ミシェル女史、ボボ シモン氏ら欧美/JIAS馴染みのフランス重鎮作家らも来場、日本作家の作品を観覧しながら親交を温めた。
サロン・ドトーヌからはデッサン部門長 ブルジュノ・ソフィー女史も駆けつけ、ザッキ氏と共に出品作家に寸評、祝福と鼓舞激励の辞を贈った。


惜しくも来場できなかった本年の出品作家にザッキ氏より下記のとおりメッセージを預かった。

~ザッキ名誉会長からのメッセージ~
ようこそ《ル・サロン》へ。いずれの作品も瑞々しい感受性に堅実なデッサン力が加わり、ひとりひとりの独創的な世界が表現されています。ル・サロン出品作家として自信をもって、ぜひ描き 続けてください。来年も新会場で皆様と会えることを心から楽しみにしております。



来場者らは旧知・新知隔てなく忽ち美術談義に白熱、不規則に組まれたブースのそこかしこに人だまりを作っていた。例年と異なる光景として、会場を取り囲むベンチや階段でグラン・パレの最後の姿を留めようとデッサンするアーティストの姿を多く目にした。

ある者は大ガラス天井を、ある者は来場者と展示風景によって醸成される独特な空気感を写し取り、ある者は螺旋階段や建築的な骨組や梁を熱心に描き込んでいた。


夜が更けるにつれ、出品を祝しセレモニーを催す各国の一団や、アーティストによるライブ・ペイント・パフォーマンスなど、いよいよ場内の盛り上がりも最高潮に。同じく代表団も関係者らとシャンパンで祝杯を挙げ、次回展への飛躍を誓った。


今回のル・サロンは約630名の作家による約1,000点を展覧。
5日間で約4万5千人の来場者を記録し、その成功は連日メディアにも取り上げられた。
〜ドゥラルフ会長よりメッセージ〜
出品作家のみなさまと共に本230回展開催を迎えることができ、たいへん嬉しく思います。
この3世紀にわたるル・サロンの歴史は、時代の変化とル・サロンの「合致」を証明するものです。
本年も、我々の多様な現代アートの果実が来場者をいっそう驚かせ、この230回展がもう一度時代を変えるだろうと自負しております。




*[1]. フランス芸術家協会主催「ル・サロン」は「フランス画壇においてアーティストが作品を発表できる唯一の場所」として1881年に設立。大戦の影響による中断を挟みながらも現存するサロンとして最も古い歴史を誇る。

*[2]. 「グラン・パレ」は1900年に万博のために改装、1991年には「パリのセーヌ河岸」のひとつとして世界遺産に登録。そして2024年「パリ・オリンピック」に向け、本年再び改装工事に入る。2021年の会場はパリ シャン・ド・マルス内「グラン・パレ・エフェメール」を予定している。



展示風景アルバムはこちらよりご覧いただけます
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横前 征史氏が銅賞を受賞 MEDAILLES DE BRONZE

横前 征史 YOKOMAE Masashi 「夜の小田代ヶ原」油彩 60.6×80.3

NEW!2020.10.27
「ル・サロン2020」にて欧州美術クラブより出品の横前 征史氏が「銅賞」を授賞。
実績と歴史を持つパリの老舗サロンの評価は、国際作家として認められた証です。
受賞者は既にフランス芸術家協会(ル・サロン)公式サイト「ル・サロン2020」受賞者一覧(Palmarès et médailles)内にお名前が掲出されております。

フランス芸術家協会(ル・サロン)公式サイト
メンション多数 「MENTION」
欧州美術クラブから出品の3名がメンション「MENTION」を授与されました。
メンションとは、今後の入賞(金・銀・銅・優秀賞)候補として、ル・サロンを運営するフランス芸術家協会(ル・サロン事務局)が認識した旨を表する奨励賞の位置付けとなります。

既にフランス芸術家協会(ル・サロン)公式サイト「ル・サロン2020」受賞者一覧(Palmarès et médailles)内にお名前が掲出されております。  
フランス芸術家協会(ル・サロン)公式サイト

MENTIONは以下の3名が授与されました

安保 真 AMBO Makoto
べい 米翔 BEI Yoneto
藤守 可江 FUJIMORI Kae
安保 真 AMBO Makoto 
「森の鼓動」 
墨象、滲み画 90×90
べい 米翔 BEI  Yoneto 
「東京立体交差 TOKYO Grade Separation」
顔料インク 78.5×60
藤守 可江 FUJIMORI Kae
「静かなる時間(とき)」
水彩 80.3×100.0
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