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サロン・ドトーヌ展報告

「2021 サロン・ドトーヌ」 展覧会報告
10月後半、鮮やかに色づいた木々が通りや公園を彩る秋のパリ、薄雲が広がる空に少しずつ陽が差し込み、青空が顔を覗かせた。まるで困難な時期を耐えしのび、光を見つけて未来へと歩き出すこれからを象徴するかのようなこの日、パリ シャンゼリゼ大通りには2年ぶりに「サロン・ドトーヌ」の文字を掲げる大看板と、秋の風物詩となった純白の特設会場が登場、5日間にわたる秋の祭典の幕をあげた。

シャンゼリゼ大通りには2年ぶりに秋の風物詩となった純白の特設会場が登場

5日間にわたる秋の祭典に多くの愛好家が訪れた

開催概要
第118回「サロン・ドトーヌ2021」
会期:2021年10月27日(水)〜31日(日) *27日はベルニサージュ
会場:シャンゼリゼ通り コンコルド〜プティパレ特設会場
主催:サロン・ドトーヌ協会
10月27日(水)12時 ベルニサージュ

ベルニサージュに先駆け来賓とプレス向けの内覧がスタート

10月27日(水)12時、ベルニサージュに先駆け、来賓とプレス向けの内覧がスタートした。会場に集ったマスコミと共に場内を巡り、日本作品の前でインタビューに応じるサロン・ドトーヌ ルグラン ドゥニ会長の姿も見られた。また、日本大使館関係者も来場され、多くの日本作家が歴史あるサロン・ドトーヌで活躍していることに改めて喜びと敬意を表した。

サロン・ドトーヌ ルグラン ドゥニ会長による開催の挨拶

同日17時、出品作家向け入場口にはこの日を心待ちにしていたアーティストたちが列をなした。いよいよ開場、そしてベルニサージュが始まると、アーティストと関係者は、昨年の不催行への悔しさを払拭するかのように、開催の喜びを、久しぶりの再会とともに満面の笑みで祝した。コロナという万人の前に立ちはだかった困難に感じた憤りや孤独など様々な感情の共有を経て、アーティストの団結力は一層高まり、例年にも増して活気に満ち溢れているようだった。

また、ルグラン会長による開催の挨拶の中で、「日本作家の皆さんには長年にわたりこのサロン・ドトーヌに積極的に参加いただいております。また、これまでもパリや東京で皆さんの作品を拝見する機会がありました。このような時期にも関わらず、意欲的に展覧会へ参加を続ける皆さんに心より賛辞を贈ります」と、日本作家へ感謝の言葉が述べられた。
  • 日本作品の前で談笑するドゥニ会長

  • 世界中のアートを愛する来場者で賑わう会場内

118回目の開催となる本展には、厳しい審査を経て入選を果たした43か国890名のアーティストによる約1000点の作品が集い、絵画、彫刻、版画、建築、写真、映像、デッサン、環境アート、デジタルアートなど、種別に限らず、いつの時代も、多様性に富んだ“境界のないアート”を評価し、受け入れてきた「サロン・ドトーヌ」を体現していた。
  • 43か国890名のアーティストによる約1000点の作品が集う

会期中、直に観覧できるチャンスを渇望していた世界中のアートを愛する来場者で、会場内は常に賑わいをみせた。日本作品の前で立ち止まりじっくりと、また、お気入りの作品をレンズに収める姿も多くみられた。出品者の中には「厳しい外出制限下で、家族にも会えない寂しさを抱え制作に打ち込んだ。今回はそういった想いも含め、一つの作品を完成させ出品した」など、コロナに影響されたり、反映した作品も多く見られた。これは正に、サロン・ドトーヌが創立以来掲げている “その時代の前衛的で革新的な精神を奨励する”という言葉を象徴するものであると実感した。

開催を喜び次回展での再開を誓う作家たちの姿

なお、ルグラン会長やサロン・ドトーヌの部門長らはもちろん、ル・サロンを運営するフランス芸術家協会マドレーヌ ブルノー会長、欧美主催「パリ国際サロン」副会長であり、サロン・ビオレ名誉会長ロワリエ エルベ氏らが来訪、日本作家作品一点一点を時間をかけ鑑賞された。
  • パリ国際サロン副会長のロワリエ氏

  • 日本作品を興味深く鑑賞する来館者

ル・サロン会長のマドレーヌ ブルノー会長も足を運び日本作品を鑑賞

10月31日(日)、雨の降る中、閉場間際まで入場者は途絶えることはなかった。それは閉会を惜しむ様そのものであり、パリにおけるサロン・ドトーヌの存在感を改めて印象づけた。
アーティストと来場者は本年の新たな才能の発掘を喜ぶとともに、次回2022年展での再会を誓い合い、未来に向けての歩みを踏み出すように会場を後にした。こうして本年のサロン・ドトーヌは惜しまれながら幕を下ろした。
最後に、日本同様、フランスでもコロナウイルスと共生した日常が始まっている。今回、入場にはチケット以外に、ワクチン接種や陰性証明によって得られる衛生パス(パスサニテール)の提示が徹底されるほか、受付でマスクが販売されるなど、安心してアートを堪能できる新たな展覧会を模索する術が随所に見られた事もあわせて報告する。




2022.4.21更新

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