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受賞者インタビュー

第2回TOKYO世界展 -パリ2023- 大賞受賞インタビュー

大賞 栗原 光峯  「行雲」 大字書400.0×150.0


「Exposition de l'Art Actuel TOKYO édition de Paris 2023:第2回TOKYO世界展-パリ2023-」は、2023年5月18日(木)より21日(日)までパリ11区バスティーユ・デザイン・センターにて開催。

現地展覧会名:Exposition de l'Art Actuel TOKYO édition de Paris 2023
和訳名:第2回TOKYO世界展-パリ2023-
会期:2023年5月18日(木)~21日(日) 
開催セレモニー:5/19(金) 18:00~20:00
会場:バスティーユ・デザイン・センター

第2回TOKYO世界展-パリ2023-の展覧会レポートページ
大賞受賞 インタビュー
栗原 光峯  KURIHARA Koho
この度の大賞受賞について、率直な感想をお聞かせください。
知らせを受けて二度見、三度見して 「えーーー!!」って叫んだぐらい驚きました。
暫し『大賞』という響きに陶酔しました。
余白美を伝えたい古典的な草書が選ばれた事が驚きと喜びでした。
最高にリラックスして書いた作品です。誠にありがとうございました。
受賞作品の制作時に特に工夫された点や気をつけた点があればお聞かせください
アトリエに広いスペースを確保し、二胡演奏に合わせて優雅にパフォーマンスをお見せする様に書きました。(因みに曲目は愛・燦々です)
気をつけた点は緩急、遅速、潤滑、余白美ですが、この時は一旦それも忘れて書いた様な記憶があります。
日頃、テーマやモチーフなどはどのように決めていますか? また、インスピレーションを得る物やシチュエーション、そのために心掛けている事などあればお聞かせください
日頃のテーマは、『愛と慈しみ』です。
混沌から見出す光と闇に意識を集中して時には大自然から、ある時は世界情勢から『何か』を受け取り作品に投影しています。
新たに挑戦されている作品や、今後のテーマなどがあればお聞かせください
新たに挑戦しているテーマは、森羅万象の中に有る普遍性です。たらし込み技法の一歩先を見つめ、顔彩を多彩に使用しながらも、Earth color、特に「日本の蒼」をどう表現していけばよいか試行錯誤中です。
作品制作を始めたきっかけはどのようなものでしたか?
作品制作のきっかけは欧州美術クラブさんを含む海外展への出展です。
書を通して改めて日本人のアイデンティティに目覚め、東洋美を伝えたい想いから制作に力が入り始めました。
  • パリ国際サロン ミニ個展にて

  • イタリア美術賞展パフォーマンス

  • イタリア シチリアでの美術賞展

現在のスタイルを確立するまでに分岐点となった事象や影響を受けた人物、作品、事象などあればお聞かせください
現在のスタイルは何種類もまだ同時進行中です。
4mほどの縦型大作では書を全面に出して、書の持つ独自のエネルギーをお見せする事を主としています。

数年前、家族の病から筆が持てなくなり、やむなく墨の濃淡だけを雲母紙に置いて出展したのを機に日本画のたらし込み技法に興味を持ちました。その頃パリでテロが起き、国際サロン展の為の出国が叶わなかった折にその混沌を憂いて、書とたらし込み技法の融合『瞠目』が完成しました。
30代後半からパフォーマンスや個展で欧米を訪れる度に必ず立ち寄る各国の現代美術館。
そこから吸収する概念がかなり私に影響を与えて来ました。
フランスで観た草間彌生のピンクだけの部屋、イタリアで観たルーチョ・フォンタナの空間概念、藤田嗣治のサロン活動の積極性と乳白色の肌にみる日本画技巧と逆転の発想そして、筆の線質は特に私に強烈な印象を与え続けています。
普段の制作スタイル(場所や時間、お教室や国内外での活動など)などを教えてください
普段は週5日北九州市の地元で和樂書院という教室を主宰しながら、月一ペースで個展やパフォーマンスを開催しています。
地元のイベントオープニング〜海外展まで幅広く、筆をリュックに背負って地球を何周かして参りました。
近年は地元の学校行事や平和奉納揮毫で寺社教会や記念公園を訪れる事も増え、本来,筆文字が持っている想像を超越した『結界』のようなものに気付かされつつ充実した日々を送っています。
  • 日本・フランス現代美術世界展

  • フィンランド美術賞展ワークショップ

これから海外展や国際公募展へご挑戦される、または挑戦するか迷っている作家様へご自身の経験をふまえてメッセージがあればお聞かせください。
これから国際展に出される方で迷っている方へ。是非出品をオススメします。
パリに出品する時はフランス、パリの歴史と文化を、コルシカ島に出品する時はコルシカ島の文化と歴史を学んでから作品を作りますよね。それは私の場合、シチリアも、フィンランドも同様でした。 
海外展に出す!と決めた瞬間から頭の中の地球儀はクルンと動きその地の情報が一気にインストールされ始めます。
情報収集、テーマ決定、作品制作、めでたく出品。実際訪れるとなると、旅行準備の時からずっとワクワク感は続きます。靴下一足買う時も気持ちが高揚しています。
一緒に行くお仲間は皆、美しいものを美しいと感じる共感者達。
欧州美術クラブさんを通じて出逢わせていただいた、美術界やオフィシャルの方々、そして、欧美の先輩方やお仲間という宝物を得る事が出来ます。
何より、自分の作品が欧州の風と光に包まれて飾られている姿は全く日本のそれとは違って見えます。

馬郡代表をはじめ欧州美術クラブのスタッフは皆さんフランクで暖かく、家族のように親身になってくださいます。

迷った時は必ず自分にこう問います。

一度切りのわたしの人生…憧れの草間さんや藤田さんより思いっきり色濃く生きてみたい!と。
  • フィンランド美術賞展(2019)ワークショップ

  • フィンランドの森で作家の皆さんと

今後の抱負や、近年の活動をお聞かせください
最近、私の生き方に共感し和樂書院の門を叩く若者が増えて来ました。ありがたい事です。
コロナ禍以降、皆、改めて自身の存在意義に付いて考える様になったのではないでしょうか。
今後は、次世代に情熱を繋いでいこうと決めています。

さて、来年は私の干支辰年を迎え、9/18〜22還暦展を北九州市立美術館アネックスで開催が決定しています。
生命の誕生『胎動』をテーマに只今構想中です。
プロフィール:栗原光峯 Koho kurihara
1964年 北九州市生まれ
梅光女学院大学 英米語学科卒
和樂書院主宰 
小倉北美術協会会長
福岡県美術協会会員
北九州書道協会役員
JIAS 日本国際美術家協会会員
WBT和プロジェクトTAISH I
38歳より活動を開始。大筆をリュックに背負い欧米Asiaを歴訪、個展やパフォーマンスで現地の人と交流。

偶然のきっかけで日本画のたらし込み技法に出会い薄墨と濃い墨が抱き合う『抱擁シリーズ』が偶然出来上がる。
『抱擁−Asia』は国内外で4度最高賞を獲得した。

ル・サロン1回入選
サロンドトーンヌ6回入選
TOKYO世界展大賞受賞等、受賞歴多数

混沌が続く世に究極の安心感を求めて独自の世界感を探究し続けている。


歴訪先:韓国・仁寺洞、全羅、ベルギー、オランダ、スペイン・ヒホン市、イタリア・シチリア島ファバーラ市、フランス・コルシカ島、フランス・パリ市・フィンランド・アラヤルヴィ市、アメリカ.フロリダ州タンパ市他。フランス・トゥールーズ市は5回渡仏、第二の故郷と感じている。

作品は各国の大使や愛好家、イベントオフィシャル関係者が所有。
テーマは『愛と慈しみ』
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